植物学雑誌
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78 巻, 929 号
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
  • 花芽生長点
    丸重 靖子
    1965 年 78 巻 929 号 p. 397-406
    発行日: 1965年
    公開日: 2006/10/31
    ジャーナル フリー
    幼形の生長点が主軸の花芽生長点に分化する時には次のような変化がみられる. がくの分化に先だって 中央分裂組織 (central zone) の細胞は少し小さくなり, 側方分裂組織 (peripheral zone) の細胞は, 核 が大きくなりうすく染まるようになって, この二層は一様になる. 次にがく分化の後期に生長点の外側の 部分で交層分裂が盛んになって, 花芽生長点の外層 (outer zone) が形成される.外層の細胞は濃い細胞 質と大きなうすく染まる核を持っている. またがく分化の後期に中肋分裂組織(rib meristem)で種々の 方向の細胞分裂が盛んになって直径が拡がり, 花芽生長点の内層 (inner zone) ができる. 内層の細胞は 薄い細胞質と比較的濃く染まる核をもっている. 花芽原基の発達に際して, 外層からは花葉が分化し, 内 層は花托をつくる. この期間を通じて生長点の形は変わるが, この生長点構造は生長点が使いつくされて しまうまで変わらない.
  • 腋芽生長点
    丸重 靖子
    1965 年 78 巻 929 号 p. 407-411
    発行日: 1965年
    公開日: 2006/10/31
    ジャーナル フリー
    長日条件では腋芽の栄養生長点は幼形期をすみやかに経過して成形の栄養生長点となる. また短日条件 のもとでは腋芽の生長点は幼形を示さないで,未分化のものから花芽生長点に分化する.
  • 小川 幸持
    1965 年 78 巻 929 号 p. 412-416
    発行日: 1965年
    公開日: 2006/10/31
    ジャーナル フリー
    1. モモの種子に存在するジベレリン様物質と果実の生長の関係について調べた.
    2. このジベレリン様物質はアンモニア性イソプロパノール展開ペー•パークロマトグラム上でRfO.46-0.53の値を示した. 生長抑制物質はRfO.66-0.86の部分にみられた.
    3. ジベレリン様物質の含量は果実の生長と平行して増加し, 開花後約50日で種子当り0.03μgを示 した.
    4. このジベレリン様物質はイネ芽生え, 矮性アサガオおよび矮性トウモロコシd1, d3, d5の伸長を促進する.
  • 細胞生理学的研究
    増田 芳雄
    1965 年 78 巻 929 号 p. 417-423
    発行日: 1965年
    公開日: 2006/10/31
    ジャーナル フリー
    冷所に貯蔵したキクイモ塊茎の組織切片にオーキシン, またはオーキシンおよびカイネチンを与えて吸 水生長をさせたときにおこる細胞生理学的変化をしらべ, 以下のような結果を得た.
    1.2,4-Dによる吸水生長の促進はカイネチンの添加によって相乗的に高められたが, カイネチン単独 では促進効果はなかった. 2,4-D,または2,4-Dおよびカイネチンによる吸水生長の促進は, 組織切片を 250で15~20時間水洗 (aging) することによって高められた. 水洗効果はジベレリン (5mg/l) の添加 によって一層高められた.
    2. 吸水生長が大きいほど組織切片の乾量減少が大きかった. 細胞内のイヌリンは50時間の吸水生長で 消失した.
    3. ジベレリンおよびカイネチンによるオーキシン効果の相乗的促進は, 組織切片によるオーキシン吸収 の促進によっているのではなかった.
    4. 細胞の浸透価は, 水洗中, 吸水生長後も変化しなかった.
    5. 原形質分離法で細胞壁の弾性的および可塑的伸展性を測定した結果, 2,4-D,または2,4-Dおよび カイネチンが, 吸水生長を促進するとぎに弾性的伸展性を促進することがわかった.
  • 山岸 高旺
    1965 年 78 巻 929 号 p. 424-431
    発行日: 1965年
    公開日: 2006/10/31
    ジャーナル フリー
    In this paper, 26 species of Zygnema are reported from Japan. Among these species, the following 11 are new record to Japan: Zygnema bohemicum Czurda, Z. calosporum Jao, Z. collinsianum Transeau, Z. cylindrospermum (West, W. and G.S.) Krieger, Z. cylindrosporum Czurda, Z. excompressum Transeau, Z. insignisporum Couch, Z. normani Taft, Z. peliosporum Wittrock, Z. spontaneum Nordstedt, and Z. synadelphum Skuja.
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