本研究では水質浄化を目的とした人工土壌団粒の開発を目指し,土壌への各種資材を混合し人工的に土壌団粒を作成して,カラムによる水質浄化試験を実施した.浄化試験後の資材についてリン酸吸収係数,バイオマス炭素量,微生物群集における炭素源資化能の評価を行った.リン酸吸収係数については水質浄化に伴うリン吸着によって浄化試験前よりも減少する傾向にあった.一方,鉄粉を混合した人工団粒では試験前よりも増加した.バイオマス炭素量はカラム上部で高い値を示し,有機物含量の高い浄化資材で高かった.微生物は水質浄化に寄与する一方で生物膜の過剰な肥大化は水質浄化能を低下させると示唆された.炭素源資化能の主成分分析の結果,上部では資材間で似たような資化特性を示したが,中部そして下部へと移るにつれ違いが大きくなった.微生物の生息環境と原水構成成分の分解・浄化過程の違いにより資化特性に違いが現れたと推察された.
水中の窒素成分の分析法の一つに銅-カドミウム還元ナフチルエチレンジアミン吸光光度法があるが,還元剤に有害物質であるカドミウムを使用する.本研究では,連続流れ分析(CFA)を使用して,銅-カドミウム還元法に代わり亜鉛を用いた銅-亜鉛還元法により硝酸及び亜硝酸をアンモニアまで還元し,硝酸態窒素を含む窒素成分を測定する方法を開発した.還元により生成したアンモニアはサリチル酸を用いたインドフェノール青法で測定した.銅-亜鉛還元で使用する試薬などがインドフェノール青の発色を阻害するため,PTFE 製メンブレンフィルターを用いたアンモニアガス透過法によりアンモニアを阻害物質から分離することで,発色への影響を低減した.開発法を従来法と比較したところ,従来法と同等の装置検出下限及び方法定量下限を得ることができた.また,海水,環境水,河川水及び排水などの実試料の測定結果を比較したところ,良好な相関を得ることができた.