Wiener-Hopf法で半無限長円筒による波動の回折を計算する際に, スプリット関数の計算値を必要とする。これまでに円筒用のスプリット関数の計算データが与えられているが, どのような計算法で得られたかが明らかでなく, データ量も十分ではなかった。本研究では, 与えられた平面波領域におけるスプリット関数の理論式の計算について考察した。そのスプリット関数は, 特殊関数を含む複雑な関数の定積分で表される。そこで, 被積分関数の収束性を検討し, 数値積分法の適用を提案した。また, その計算法について具体的に述べ, フローチャートも示した。本法により, 従来よりも, データの量, 桁数などで満足な計算値が得られるようになった。
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