数多くの研究者が与えた独自のうるささ尺度とは異なる心理尺度を採用して、我々は各種騒音源の心理的影響の程度を評価している。その心理尺度は、長野地区における住民の大多数が日常用いている代表的な評価語から構成されている。本論文では、機械工場騒音、製材所騒音、列車騒音、鉄工所騒音、建設騒音などの場合について実験的検討を行っている。その結果、これらの騒音に対して、1)使用頻度の高い評価語は"うるさい"と"気にならない"であること、2)それらの程度表現語は7段階のグループに分けられること、3)選定した評価語によるうるささ尺度は等間隔性を有すること、4)うるささ尺度とL_<Aeq,T>の対応性はかなりよいことなどが明らかになり、我々が採用した心理尺度は前回の自動車騒音の場合も含めて各種音源の「うるささ」を共通に評価できることを見出している。
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