ループ管方式熱音響システムにおけるエネルギー変換効率を向上させる手段として,Phase Adjuster(PA)と呼ぶ構造体を管内に設置する手法を提案している。本論文では,PAを用いるシステムの設計を可能とすることを目指し,PAを設置した円筒直管における定在波音場の測定を行い,線形モデルの妥当性を検討した。熱音響システムの解析に用いられるRottの方程式に基づいた伝達マトリックスを用い,多点の音圧を同時に測定することでPA前後の管内音圧,粒子速度,音響パワーの分布を解析した。PAの線形モデルから算出される全体の音場分布をPA前後の分布と比較すると,小振幅ではよい一致が見られたが,大振幅では振幅の3乗に比例する損失がPAにおいて顕著となることが確認された。
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