本論文ではレーザと計算断層撮影法を用い,過渡的な音場の観測を試みる。前報までの実験では正弦波信号を用いて定常的な音場の観測を行った。しかし,より複雑な音場の観測には直接音と反射音の区別など,過渡的な音場の観測が必要不可欠である。そこで,測定信号に進行波(パルス音波)を用いる。基礎的な実験として,2ウェイスピーカと平板スピーカの2種類のスピーカを用いて駆動されたパルス音波の伝搬をレーザ音場投影により観測した。過渡的な音場の観測実験として平面スピーカにより駆動された平面波が音響反射板に反射する様子をレーザ音場投影によって観測した。また,計算断層撮影法を用いた音場情報の再構成によって,2ウェイスピーカで駆動したパルス音波の伝搬の観測実験を試みた。
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