新幹線の騒音や振動による住民への影響を改めて収集するために,神奈川県内の東海道新幹線沿線の住宅地において,社会調査と騒音・振動測定を行った。騒音と振動の被害感に対する相互効果の検討を行ったところ,集合住宅の相互効果は見られなかったが,戸建住宅では相乗効果が認められた。これらの結果から,戸建住宅において,騒音と振動による複合被害感の概念を導入したモデルを作成した。このモデルに共分散構造分析を適用して,騒音と振動それぞれの暴露量から複合被害感への影響度を推定した。全体的には振動よりも騒音の暴露量からの影響度が大きいが,軌道に近い場合には振動の暴露量からの影響度が大きいことが分かった。
抄録全体を表示