4チャネル反射音合成装置を用いたピアノ練習室の音場の能動制御に関して, 室内吸音の違いが音場付加の効果に与える影響, 音場の印象及び練習音場としての適, 不適について主観評価実験を通して調べた。その結果, 音場付加したときの効果は, 室内吸音の程度により変化する。実験では, 室内平均吸音率 (α^^-) を0.15, 0.25, 0.35, 0.5の4水準とし, α^^-が0.35以上が音場付加の効果を得易くする一条件であることが分かった。また, 自宅での普段の練習用音場としては, α^^-が0.35以上で, 小量の音場付加をした場合が適している。ただし, 適さないとする音場の評価は人により異なる場合がある。一方, ホールでの演奏を想定した練習用音場としては, α^^-に関わりなく, 音場付加の程度が大きいほど評価が高いことが判明した。
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