本論文では,厚みのある無限平面壁中の開口の音響透過において,領域を厚壁で区切られた二つの半無限領域と開口部領域の三つに分割して,それぞれに境界積分方程式を適用したのち,それらを結合して解くという手法を提案する。この手法によれば,二つの半無限領域に鏡像法を適用することで,考慮すべき積分領域を開口面上のみに限定し,未知関数の領域を大幅に減少させ,計算時間の短縮を図ることができる。既存の理論が適用できる問題において,本手法による数値解析で得られる結果と,既存の理論による計算結果とを比較したところ,その精度の良さが示された。また,幾つかの数値計算により本手法の妥当性を示した。
抄録全体を表示