二つの点音源が異なる位相,有限な距離で存在する音源の直方体残響室における音響パワーの分散を理論的,実験的に求め,以下を明らかにした。音響パワーの正規化分散は,二つの点音源を結ぶ音源の軸の方向が室のいずれかの面と平行となる場合に位相差が0±0.21π,π±0.21πの範囲において点音源よりも大きくなる。軸の方向が室のいずれかの縁と平行となる場合には,位相差が0,πのときに最大で点音源の9/5倍に,点音源間の距離が波長に比べて十分大きい場合3/2倍,位相差がπ/4,3π/4のときには7/6倍となる。軸の方向がランダムにおいても位相差0,π付近では点音源より大きくなる。実験値は理論値にほぼ一致した。
抄録全体を表示