本研究では, 環境音の知覚を探ることを目的として, 従来の研究で用いられてきた「音色を表現する評価語」に加え, 「音を聞いた際に人がいだく感情を表現する評価語」と「音の持つ情報に関する評価語」を用いた評価実験を行った。実験は, 66種類の刺激音と, 39種の評価語対を用い, SD法により行った。実験結果を因子分析した結果, 第一〜第三因子として, 「美的」, 「明るさ」, 「量的」という音色の3因子に相当する因子が得られた。また, それらとは独立に, 「音の定位情報に関する因子」, 「音源情報に関する因子」, 「音の存在意義に関する因子」, 「懐古・郷愁因子」が得られた。更に, 人が音を聞いた際にいだく感情は, 音の美的因子と相関があることが分かった。
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