本論文は、パルス音波を用いた超音波領域における、大気の音波吸収係数の測定について述べている。微小火花放電を用いた、インパルス音波源の新しい電極形状として、バッフル板付き同軸型の放電ギャップが開発された。この音源は、非常に良い再現性を有し、正弦一波状の単純な音圧波形で、広いスペクトル帯域を持つほぼ完全な球面波インパルスを放射できることが確認された。測定は較正された2本のマイクロホンを、それぞれの音源から2m,3mの位置に設置して行った。観測された結果は、20〜200kHzの帯域において理論的に導かれた結果と非常に良い一致を示した。この結果から、本手法は、大気の音波吸収係数の簡易な測定法として有効であることが分かった。
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