日本語,中国語,朝鮮語の話者10名について母国語の音声生成過程を観測し,各言語における破裂子音の特徴を比較した。破裂子音の生成には喉頭と声道の制御が同時に関与するため,本論では,声門の開閉状態,口腔内の圧力,及び口唇から放出される呼気流量を同時に測定した。日本語の子音では有声と無声の対立があるのに対して,中国語や朝鮮語では気息性による対立がある。本論では,統一的な枠組みのもとで得られた測定データに基づいて,各言語の子音体系と音声の生成的特徴の関係を分析し,更に喉頭と声道の運動によって決まる音声の時間構造について考察した。
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