音の放射圧特にランジュバンの放射圧に関する研究について, その現状を紹介すると共に, 音の放射圧に関する理論は, 放射圧とは何かという問題を含めて, 決して完成してはいないとする筆者の立場から, 主要な論文について文献批判をし, 問題点を提起する。すなわち, 音の放射圧は真に非線形現象であるかとか, それが運動量流量の時間平均に等しいとはいかなる意味においてかとか, 固定面に働く放射圧と動いている面に働くそれとはどう異なるかとか, そもそも放射圧とは圧力かベクトルかテンソルかとか, 放射圧が音の平均エネルギー密度のみで記述されるのはいかなる場合かといったような基本的問題を念頭に入れて, 新しい統一理論の構築を試みる。
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