科学技術をテーマにした講演が,学生や一般向けにしばしば催される。しかし,その内容が,聴衆の期待と異なる場合がある。一方,講演によっては,最後の質疑が白熱化した経験もある。このようなことから,基本的・総括的な話を前半に,後半をすべて聴衆のリクエストに応じたトピックについて話せば,興味を失わないと考えた。この手法を,レクチャ・オン・デマンドLODと名付ける。音声科学・音声情報処理についてLODを行った。講演では,前半で音声と人の関係,音声生成の原理などを説明する。後半で,30のトピックから,聴衆のリクエストに応じて説明する。トピックの準備には,時間を要するが,一般的科学知識を理解してもらうには,有効と考えられる。8年にわたる,LODによる講演の成果を要約する。
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