自然換気口の軸方向の1次モードの共鳴透過による遮音性能の低下を改善することを目的として,円孔スリーブ内に円管の両端を閉じ,管の中央部に設けたスリットに流れ抵抗を付加した消音器を挿入し,求めた音響透過損失の理論値と実測値によりその消音効果を検討した。理論値は,円周方向の高次のモードが無視できる円孔の半径が波長の0.293倍となる周波数以下を対象に,拡散入射における換気口の断面方向の0次モードに対する音響透過率を二端子対等価回路を用いて求めた。スリットに流れ抵抗を付加した消音器を設置することにより,共鳴透過による音響透過損失の低下が改善された。理論値と実測値は,消音効果が極大となる消音器の共振周波数に差が見られたが,よい一致を示した。
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