近年,メータ検針等のために,ガス配管を伝搬路とする音響通信システムが検討され,キャリア周波数の異なる複数のマルチキャリア変調信号を変調信号ごとに循環するように設定する方式により,3,000bps以上の伝送速度での通信が可能であることが確認されてきた。本研究では,ガスの流れが音響信号の位相値に与える影響のモデル化を行った。更に,6階相当の一般的集合住宅を模擬し,都市ガス使用時に近い条件でガスを流せる実験系を構築し,ガス機器動作時の音響通信の受信位相変化を測定した。その結果,提案するモデルで位相変化の見積もりが可能であることが分かった。また,4DPSKを用いると,コンロでは復調閾値以下のシフトになるとの影響推定を行った。
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