道路に面する地域の騒音を評価する場合,適用対象外の騒音や評価の妨げになる騒音は除外して測定・評価することが評価マニュアルに記されている。これを実施するには,1)対象外の音の検出法と,2)妨げとなるか否かの判断基準が必要である。本論文は,1)に関しては何等かの方法で適用対象外の音を検出した状況を出発点として,2)の判断基準をどのように設定してこの音を処理すべきかを考察したものである。具体的には,除外処理前後でのL_<Aeq>の変動ΔL_<Aeq>が十分小さければ,除外処理は必要ではないという観点から,ΔL_<Aeq>の変動要因を定量化した。この後実測データから得られた知見を基に,ブートストラップ法によるシミュレーション実験を行って,大略的にL_<10>あるいはL_5を超える対象外の音を2)の判断基準とすることが妥当であるとの結論を得ている。
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