建物や音源が散在する市街地において,地域を代表する騒音レベルを巨視的にとらえる環境騒音の予測モデルを構築した。このモデルでは,地域内での音響エネルギーの収支に着目し,時間的,空間的に平滑化された地域の等価騒音レベルL_<Aeq>を求めている。また,主要な騒音源である道路網から,地域の単位面積当たりの音響パワーレベルを推定する方法を示した。更に,具体的な事例として,名古屋市域における環境騒音の調査データと道路網との関係を分析し,市域のL_<Aeq>と自動車の延べ走行距離すなわち走行台キロとの間に強い相関があることを示すと共に,モデルに基づく予測式の妥当性について検討した。
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