建造物探査用超音波音速CTに用いる小型強力音源として,ボルト締めランジュバン型振動子(以下BLT)の開発を行っている。 BLTの設計には明確な手法はまだ存在しておらず,これまでの経験及び勘等によって手探りで設計されているのが現状である。本論文では,BLTの解析を行う際の境界条件の検討,圧電セラミックスの種類に依る接触応力分布の違い,BLTの各形状パラメータの影響,この3点について検討を行った。その結果,妥当な境界条件として,ネジ山部ではすべりを考慮し,電極板-圧電セラミックス界面ではすべりを生じていないという条件が得られた。この条件を用い解析を行った結果,BLTの形状が全く同一であっても,使用する圧電セラミックスの違いにより,圧電セラミックス界面に生じる接触応力は無視できない程変化してしまうことが分かった。そこで,圧電セラミックスの種類を固定し,各形状パラメータを変化させ,実用上均一な接触応力分布を持つ形状を見つけることができた。
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