2個のスピーカにより3次元音像制御をする方法の一つとして,トランスオーラルシステムが提案されている。しかし,受聴時の位置や姿勢のわずかなずれによって再生系伝達関数が変化するため,受聴者の頭部を固定する必要があった。本研究では頭部を固定せずとも精度高く音像制御できるスピーカ配置を検討した。横断面内15方向のスピーカ配置に対して,音像定位実験と再生系伝達関数の分析を行った結果,側方から上方にスピーカを配置した場合に音像制御精度が高くなることを示した。特に,天頂から±70°に配置した場合は,水平面定位においても上半球正中面定位においても,実音源と有意差のない定位精度となることを示した。
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