受聴点における音場特性を解明するため, 先に擬似頭を用いて両耳間の音響諸係数を測定し, また, 擬似頭のモデルとして頭部・胸部を球で近似した2球モデルを提案した。擬似頭の実測値とモデルの計算値とには差違が生じている。この差違は擬似頭胸部のモデル化に問題があり, 胸部を球よりも扁平回転楕円体に近いと考え, この楕円体について回折係数を計算する。計算は波数が大きくなると, 扁平回転楕円体波動関数は, Laguerre関数に近づく。胸部の回折係数を測定し, 計算と比較している。胸部の実測値は楕円体の計算値と類似している。なお, 計算には, 比較として楕円体の究極の形である円板, 球を取り上げ, これらとの比較検討も行っている。
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