感情音声のうち,「怒り」「激怒」「ハイテンション(明るく元気)」のような力の入った音声に頻出する声質である"Strained rough voice(SRV)"は,基本周波数とは独立の60Hz前後の振幅の変動を特徴としている。我々は,音声に表情を付加する簡易な一方式として,振幅変調処理によるSRV変換を検討している。先行報告においてmodal音声に50Hzから80Hzの振幅変調を施すとSRVとして判断される可能性を示した。本報告では,聴取実験により,SRV変換に効果的な振幅変調度の範囲を特定した。振幅変調の変調周波数が70Hzの条件では,変調度が45%以上80%以下の場合に,音声の声質がSRVに変換されたと判断されることが示唆された。
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