海洋中を長距離伝搬(1,200km)する音波が黒潮を横断する場合の伝搬特性、及び伝搬音波波形を音線理論を用いて解析した。そのときの音速プロファイルが異なる特性を持つ夏と冬について検討した。SOFARチャンネル内を伝搬する音波は、黒潮により伝搬経路を大きく変えられ、その伝搬特性にかなりの変化が見られる。SOFAR軸深度から送波した音波は受波地点のSOFAR軸深度にはあまり到達せず、分散して種々の深度に到達する。また、冬に送波した音波は受波地点1,200kmまで直接伝搬するものは少なく、多くは海面にぶつかる。更に、伝搬音波波形は高緯度側から送波したものが大きな振幅を持ち、低緯度側から送波したものはその振幅が小さいことが明らかになった。
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