近年,高級車では高性能サウンドシステムが搭載されているが,各搭乗者のニーズに応えることができない。そこで本研究ではパーソナル音場制御によって各搭乗者に別々の音環境を提供する。従来の制御法では主にAcoustic ContrastとArray Effortを指標として用いているが,これらの指標は領域間の平均音圧差や入力パワーの合計値であるため,制御領域を平均的に評価しており,制御領域内の音圧ばらつきを評価できない。制御領域内では耳位置が少し動いても音量が一定であることが望ましいため,音圧ばらつきを低減し,かつ高いAcoustic Contrastが得られ,パラメータ設定が容易なAcoustic Contrast Optimizationを改良した提案法を示す。数値解析によって提案法の理論を検証し,実験によって有効性を示す。
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