循環器系疾患の中で,発見されるのが難しいとされる心房細動・無呼吸症候群・動脈硬化は特に危険な疾患である。これらの疾患を見つけるためには,心拍音・呼吸音・脈音を相対的に評価しなければならない。そのため我々はマイクロホンを体に張り付けて得た体の中の音から,音源分離で用いられる手法を用いて心拍音・呼吸音・脈音を同時に分離する研究を行ってきた。しかし,従来法にはそれぞれ問題があった。そこで本論文ではそれらの問題を解決し,より頑健性のある分離手法,そして心拍音・呼吸音から心房細動・無呼吸の検出を行う手法,更には分離した脈音と加速度脈波との類似関係に関して議論する。
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