トンネル坑口からの音響放射特性に関して,1/40縮尺模型実験による検討を行った。最初に,坑口からの放射指向性を測定したところ,音源がトンネル内部に深く入るほど,坑口からの音響放射指向性が鋭くなること,周波数が高いほど指向性が鋭くなること,坑口付近を吸音性とした場合に指向性が鋭くなること,等の結果を得た。実験結果を基に,坑口からの音響放射指向性をcosnθに近似し,その指向係数nを音源位置及び周波数の関数として表した。この指向特性を,ASJ RTN-Model 2013に示されたトンネル坑口音の計算法に補正項として加え,トンネル明かり部の沿道受音点における実験結果と比較したところ,対応性の向上が見られ,トンネル坑口音の予測計算法に坑口からの音響放射指向性に関する補正を施すことの妥当性を示した。