残響音場の音声明瞭度・了解度を評価できる指標としてSTIはじめいくつかの尺度が提案され広く用いられているが,そのいずれも残響音場における了解度と十分な精度で対応しているとは言えない。残響音場の了解度と対応する物理指標に関して検討を行い,新指標UDP(useful-to-detrimentai ratio by puise)を提案した。UDPは音声を想定したパルスに対する応答波形から了解度に対する有用成分と有害成分のエネルギー比を評価するもので,STI,D値,C値,時間重心t_sなど一般に広く用いられている指標では音声了解度との対応が悪くなる直接音/残響音比が低い音場においても了解度とよく対応することを示した。
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