日本音響学会誌
Online ISSN : 2432-2040
Print ISSN : 0369-4232
72 巻, 6 号
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論文
  • 井本 桂右, 大石 康智, 植松 尚, 大室 仲, 小野 順貴
    2016 年 72 巻 6 号 p. 293-305
    発行日: 2016年
    公開日: 2017/07/01
    ジャーナル フリー

    音声や足音,扉の開閉音などの様々な音から,音が収録された場所や状況を推定する音響シーン分析の研究が活発に行われている。音響シーン分析の有効な手法として,音の種類の組み合わせと音響シーンの関係を生成過程により記述する音響トピックモデルが知られているが,従来の音響トピックモデルのモデルパラメータ推定はバッチ型アルゴリズムであるため,逐次的に得られる音を分析するには大きな計算機資源が必要となり,日々膨大な量が増え続ける動画データなどの分析は困難であった。本稿では逐次的に得られる音から高精度に音響シーンを分析する手法として,崩壊型変分ベイズの近似手法(CVB0)と崩壊型ギブスサンプリング法のハイブリッド型オンライン手法を提案する。

  • 伊藤 将亮, 森勢 将雅, 小澤 賢司, 木下 雄一朗
    2016 年 72 巻 6 号 p. 306-314
    発行日: 2016年
    公開日: 2017/07/01
    ジャーナル フリー

    音の再生システムにより与えられる臨場感は,同一の録音・再生系を用いた場合でも対象となる素材によって異なる「コンテンツ臨場感」と,単一の素材を対象とした場合でも録音・再生方式によって異なる「システム臨場感」の二つの性質を有する。先行研究により,コンテンツ臨場感を時系列として推定するモデルは構築されたが,システム臨場感も考慮した臨場感を時系列として推定するモデルはいまだ構築されていない。このモデルの構築に向け,ダイオティック再生方式とバイノーラル再生方式の2種の音響再生方式を用い,臨場感を7段階の尺度により時系列として評価する聴取実験を行った。実験結果を基に,7種の音響特徴量を入力として,聴覚臨場感を推定するモデルをニューラルネットワークを用いて構築した。モデル出力と臨場感評価値の全体の平均誤差は7段階尺度における0.29となり,良好な結果であることを確認した。

  • 早野 修二, 梅田 幹雄, 高橋 貞行
    2016 年 72 巻 6 号 p. 315-320
    発行日: 2016年
    公開日: 2017/07/01
    ジャーナル フリー

    xPb(Mn1/3, Sb2/3)O3-yPbZrO3-(1-x-y)PbTiO3セラミックスの圧電的諸特性の振動レベル依存性が電気的過渡応答法を用いて測定された。x=0の2成分系では振動応力が10MPaを超える辺りから振動損失パワー密度Pdの急激な増大が見られた。x ≠ 0の3成分系では30MPa以上の振動応力に対しても低Pd値が保持された。これはPb(Mn1/3,Sb2/3)O3がアクセプタ欠陥を生成して,強誘電性分域壁の運動を抑圧するためと推定された。また,いずれの成分系においても結晶相境界付近の組成でPdは大きな値を示すが,これは結晶構造の不安定性に起因するものと推定された。

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