安易に振動を抑制すると,その副作用として騒音の悪化を招き得るし,安易に騒音を抑制すると,その副作用として振動の悪化を招き得る。振動の抑制と騒音の抑制は,必ずしも両立しないのである。真の静粛化を追求するならば,振動だけを評価関数に置くのではなく,騒音だけを評価関数に置くのではなく,振動と騒音の和を評価関数に置き,制御系を設計するべきである。本論文は,構造物の運動エネルギーと構造物から放射される音響ポテンシャル・エネルギーの和に対する直交因子を導出し,更に,当該因子の計測制御法を提案する。当該因子は,構造場と音響場の統一的直交因子に外ならず,当該因子の抑制は,構造場と音響場の統合的静粛化を保証する。
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