雨天時は,降雨による環境悪化によって視覚障害者が屋外歩行時に危険に晒されているという意見が聞かれる。視覚障害者も雨天時に屋外を歩行する機会が少なくないことから,雨天時の視覚障害者の歩行の安全確保は重要な課題であり,その解決は急務である。本研究は,視覚障害者の雨天時の歩行環境整備の第一歩として,視覚障害者のための雨天時の歩行環境の問題点を明らかにするために,視覚障害者と歩行訓練士を対象に三つのアンケート調査を実施した。その結果,雨天時は,"傘にあたる雨音"等の降雨騒音によって,視覚障害者が歩行時に利用している聴覚情報の聴取が妨害されていることが分かった。そこで,雨天時の環境騒音レベルを測定してみたところ,降雨量がやや強い雨の状態で晴天時に比べ15dB以上高かった。このことから,視覚障害者の雨天時の歩行環境整備として,聴取妨害となる降雨騒音の低減が必要であると結論した。
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