合奏システムに関する多くの研究がこれまで報告されているが,奏者が流動的に変動するスタイルに対応するものはほとんど見られない。この研究では,自由度の高い通信網を構築可能なアドホック無線通信を用いて合奏システムが構築されており,合奏に最低限必要な音楽的要素を表す種情報と楽器間の同期を実現するための同期信号のみを計算機間で共有し,効率的な通信を行うモジュールと,種情報から演奏の自動生成を行うモジュールを実装している。更に,合奏に参加する楽器構成を補完する機能を実現することで,楽器の離脱による演奏の品質劣化を回避している。評価実験より,提案システムが参加及び離脱に対応していることを確認している。
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