交通量が減少しても,沿道の騒音レベルはその割には低下しないと言われている。この主要な原因として,交通量の減少による車速の増加,大型車混入率の増加などが考えられる。道路交通騒音に関する従来の予測計算式において,交通量Qと車速Vは通常,独立に設定されている。しかし,両者の間には密接な関係があり,交通工学の分野ではこれをQ-V曲線と呼んでいる。本稿では,このQ-V曲線を道路交通騒音の予測計算に導入し,交通量(又は車速)の一方のみを用いて等価騒音レベルL_<eq>が算出できることを示した。更に,大型車混入率を含めた交通条件の変化がL_<eq>に及ぼす影響について詳しく検討し,夜間に交通量がかなり減少してもL_<eq>はさほど低下しないことを示した。また,これには車の音響出力の速度依存性も重要な影響を及ぼすことを明らかにした。
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