音響ホーンは電気を使わず音の放射効率を上げることができ,我々は省エネルギーを目指したコミュニケーションエイドとして音響ホーンを積極的に利用している。しかし,低い周波数帯域まで効率よく拡声するには長い経路長と大きな開口部が必要となり,衣服のように身に着ける道具として利用するには小型化が必要となる。本研究では音響ホーンの特性を保ったまま,音響ホーンの小型化を目指した輪状開口部を持つ音響ホーンを提案している。3Dプリンタを利用し開口面積を一定とした輪状開口部を持つ音響ホーンを作成し音響特性の測定を行ったところ,輪状開口部の半径の増加に伴い指向性の向上を確認でき,同時に音響ホーンの厚みを120mmから59mmに小型化することができた。
リニアモータの電気-音響特性及び電気回路定数に基づいて熱音響発電機の安定性解析を行う手法を提案する。そのためにまず,リニアモータの電気-音響特性と電気回路の周波数応答を用いて熱音響コアから見た管路全体の音響特性を構成する。次に熱音響コアの周波数応答計測結果と合わせてナイキストの安定判別を行う。実際に,定在波型発電機の安定性解析を行い,負荷抵抗値が大きいほど発振余裕が大きく負荷の消費電力が小さくなること,更に電力フィードバック型発電機に対して,負荷抵抗値が小さいほど発振余裕が大きく,消費電力が最大となる最適な抵抗値が存在するという,実験に整合する結果を示す。