本論文は,散逸i生媒質内の音波伝搬解析へのCIP法の適用について検討している。まず,1次元音波伝搬について,散逸を組み入れた場合のCIP法及びそれを高精度化したCIP-CSL4法の定式化を行った。次に,空気中の1次元音波伝搬について2,3の数値実験を行い,数値分散や数値拡散の誤差についてFDTD法やコンパクト差分法との比較検討を行った。その結果,CIP法はFDTD法よりも数値分散の誤差が小さいが,振幅特性については数値拡散の誤差が大きく現れることを周波数領域で示した。最後に,散逸を組み入れた場合について検討した結果,物理的な散逸の効果が数値拡散の誤差に埋もれてしまう可能性があることを示した。また,数値拡散の誤差を散逸効果よりも小さく抑えるための離散化条件を示し,高精度な解析のための指針を得た。
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