感音性難聴者の内耳の機能低下の度合いから言葉の聞き取り能力を推定することを最終的な目的とし,難聴被験者6名8耳の周波数選択性の劣化度合いと母音正答率を調査した。周波数選択性の劣化度合いは,難聴被験者の聴覚フィルタを15条件にて測定して評価した。その結果から,日本語5母音の興奮パターンを作成し,実際の母音正答率と比較した。実験の結果,特に/a/,/i/,/u/,/e/で,難聴者と健聴者の興奮パターンの相関が低くなると,難聴者の母音正答率が低くなり,相関が高い場合は正答率が高くなる傾向が見られた。
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