音響異方性を考慮した差分法プログラムを開発して,TMCP(Thermo Mechanical Controlled Process)によって製造された圧延鋼板を対象とする横波超音波探傷のコンピュータ・シミュレーションを行った。2次元モデルを用いて,超音波が鋼板中を伝搬する様子を変位ベクトル図で表し,時間を追って可視化した。音響異方性による探傷屈折角の変化を調査し,角反射,V透過法,及び斜角探傷のシミュレーションを行った。シミュレーションの結果の一部は実験と比較,検討した。本報の差分法シミュレーションによって,音響異方性を有する圧延鋼板の超音波探傷における超音波挙動を再現することができた。
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