残響室における点音源から放射される純音の音響パワーの分散の音源設置状態による違いを, 固有モードモデルと拡散音場モデルとについて求めた。音響パワーの正規化分散は, 固有モードモデルにおいては, 室内空間, 壁床面, 稜線上, 隅への設置状態に対して, 27/16M, 9/8M, 3/4M, 1/2Mとなる。しかし, 拡散音場モデルでは, 音源の設置状態によらず, 1/2Mとなる。Mはモードの重なり (modal overlap) であるが, 音源における直接音の音圧の体積速度との同位相成分の, 拡散音の音圧に対する比の平均2乗値に等しい。直方体と不整形残響室とにおける実験結果は, 直方体室では固有モードモデルに, 不整形室では大きさが1/M程度となったが拡散音場モデルに一致した。
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