様々な楽曲を用いた最適聴取レベルの測定実験を調整法によって行い,男女の間で音楽の最適聴取レベルに差が生じ,男性の聴取レベルの方が高いことを明らかにした。男女の最適聴取レベルに差が生じる要因を検討するために,音楽再生音とノイズの大きさ評価実験を行った。いずれの刺激の場合も男性の方が女性よりも同一呈示音圧レベルの音をより「小さい」と評価していた。女性の最適聴取レベルは男性にとっては「小さい」と感じられている可能性がある。そのため,男性が「丁度よい」と感じるには女性の最適聴取レベルよりも聴取レベルを高く設定する必要が生じ,その結果として男女の音楽再生音の最適聴取レベルに差が生じたと考えられる。
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