多孔質材料内の伝搬音の予測モデルの多くは,流れ抵抗を助変数とする。繊維不織布の場合,流れ抵抗は嵩密度(成型)により変化し,必ずしも効率的な助変数とは言えない。繊維不織布の嵩密度により変化のない物理量は,物質密度と繊維径である。これらを助変数とすれば,嵩密度の変化に影響されないことに加え,助変数を得るための実験を必要としないため,繊維不織布の音響設計(繊維配合の最適化)が可能となる。本論では,繊維不織布の物質密度及び繊維径と,垂直入射吸音率との関係を明らかにし,これらを助変数とする新たな予測モデルを示している。
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