日本音響学会誌
Online ISSN : 2432-2040
Print ISSN : 0369-4232
76 巻, 11 号
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特集にあたって
総説
  • 小塚 晃透, 畑中 信一
    2020 年 76 巻 11 号 p. 606-612
    発行日: 2020/11/01
    公開日: 2021/03/10
    ジャーナル フリー

    超音波の音響放射圧を用いて,大気中の微小物体を非接触で捕捉し操作することが可能である。ボルト締めランジュバン型超音波振動子と反射板を平行に設置して定在波音場を形成した場合,半波長間隔で形成される音圧の節に,固体粒子は捕捉される。また,2音源を用いて音軸を交差させて定在波音場を形成した場合,音源間の位相を制御することで,音圧の節の位置を移動させ,捕捉物体を操作することが可能である。さて,多数の小型超音波振動子を凹面形状に配置して超音波を放射した場合,幾何学的な焦点位置に高音圧の音場を形成できる。この超音波を用いても物体を捕捉することが可能であり,音場を制御することで,捕捉物体の操作が可能となる。

論文
  • 貝瀬 不二丸, 椎葉 倫久, 森下 武志, 岡田 長也, 黒澤 実, 竹内 真一
    2020 年 76 巻 11 号 p. 613-621
    発行日: 2020/11/01
    公開日: 2021/03/10
    ジャーナル フリー

    先端部に円柱型又は円錐型の前面板と称する部品を装着した2種類の堅牢ハイドロホンを開発した。前面板の裏面には圧電素子として水熱合成PZT多結晶膜を成膜してある。堅牢ハイドロホンの受波感度の周波数特性,音響キャビテーションを伴う高強度超音波音場における耐久性及び前面板形状の違いによる音響キャビテーションの挙動の変化について検討した。その結果,堅牢ハイドロホンは高強度超音波に100時間以上曝露しても受波感度が低下しない十分な堅牢性を有していることを確認できた。また,前面板の先端部正面の面積が小さいと音響キャビテーションによる影響を低減可能であることが示唆された。

  • 木村 友則, 坂本 明弘, 須田 一成
    2020 年 76 巻 11 号 p. 622-628
    発行日: 2020/11/01
    公開日: 2021/03/10
    ジャーナル フリー

    一つの探触子から複数の角度で超音波を試験体に入射するマルチアングル方式で,金属筐体内の浸水を外部から検知する技術を示す。金属筐体の底部は,鋼板とする。A0モードの板波だけでは探触子と試験体との接触状態によっては浸水を誤判定する可能性があるので,S0モードの板波を接触状態のチェック信号として用いる。両モードの送受信を一つの探触子で行うマルチアングル方式を採用し,更に,両モードを単一チャネルで動作させる構成とする。この構成で,両モードの受信信号から浸水検知が可能であることをシミュレーションによって示す。また,マルチアングル方式の探触子を試作して実験を行い,本方式の有効性を示す。

解説
連載企画―音響学の温故知新―
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