平凹面レンズによる平面超音波の集束について,理論解析及び実験を行った。レンズはアクリル樹脂製で水中に置かれている。球面収差を除くために,楕円面レンズについて検討し,その集束場と球面レンズによる集束場を比較した。両レンズにおいて,焦点前での音軸方向の音圧特性は理論的にほぼ一致すると予測できた。しかし,焦点後では楕円面レンズにピーク,ディップが現れるのに対し,球面レンズには生じないという明らかな相違が見られた。更に,焦点面でのビームパターンは,理論上,楕円面レンズによる第1サイドローブが球面レンズよりおよそ10dB抑えられることが分かった。この理論の有効性を証明するために,周波数1.7MHz,開口径75mmの平面トランスデューサに離心率0.544の楕円面レンズを密着させ,水中で実験を行った。実験データは,楕円面レンズによる理論モデルの有用性を裏づけするものとなった。
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