頭部形状を再現したダミーヘッドを頭部運動に追従動作させることにより, 音響情報を遠方に伝達するロボット, テレヘッドを構築した。ダミーヘッドと実頭とでは形状の差が4∿10%あり, 両者の頭部伝達関数は多くの方向で一致しなかった。テレヘッド動作時の騒音レベルは0.3kHzで70dB SPL, 追従動作の遅れは200msであり, 静粛性と応答性において期待を下回った。しかし, テレヘッドを用いた音像定位実験の結果, 頭部運動に追従動作させるとダミーヘッドのモデルではない被験者でも水平面音像定位精度が向上することが分かった。このことは, テレヘッドが音響テレプレゼンスロボットや実環境での心理物理実験の道具として利用できることを示唆する。
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