結腸全摘後7年目に, 腹腔内desmoidを発症したGardner症候群の1例を経験したので報告する.症例は42歳の男性.1986年Gardner症候群のため結腸全摘術を受けた.この時上行結腸に癌腫を認め, 大腸癌取扱い規約によるとa1, n
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0, M (-), stage IIIであった.1992年3月頃から, 左上腹部に無痛性の腫瘤を指摘されていた.11月になり同腫瘤の増大を認めたため入院となった.
身体的特徴として, 口唇に色素沈着, 胃・直腸に過形成性ポリープ, 上下顎骨に骨腫, 過剰歯, 埋状歯, 嚢胞が見られた.腫瘤は造影CTで増強され, 血管造影では空腸動脈の圧排とencasementを認めた.
開腹所見では腫瘤は約10cmで腸間膜由来と考えられた, 高度の癒着と, 短腸症候群の恐れから生検に止めざるをえなかった.組織学的にdesmoidと診断された.現在UFTと, Tamoxifenの投与にて経過観察中である.
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