日本畜産学会報
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32 巻, 6 号
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  • 中西 武雄
    1962 年 32 巻 6 号 p. 323-329
    発行日: 1962年
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
  • III. ガス生成能と揮発性脂肪酸類生成能との関連性
    扇元 敬司, 柴田 章夫, 古坂 澄石
    1962 年 32 巻 6 号 p. 330-334
    発行日: 1962年
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    1. 各種の飼養条件における山羊および緬羊の第一胃内容液について,発酵管を使用して,ガスおよび揮発性脂肪酸類(VFAs)生成能の日中変化を経時的に追跡し,また第一胃内容液のVFAs濃度の経時的変化をも検索した.
    2. 飼養条件のいかんを問わず,ガス生成能は,その変動の型として,採食後数時間で起こる第1のピークと16~18時間後に起こる第2の高位のレベルへの高まりとを示した.VFAs生成能の消長でも,同様の型がみられた.
    3. 性ガス生成能は,生牧草,サイレージ給与時に高いレベルを,また生野草,牧乾草給与時に低いレペルを示した.稲藁給与時には,ガス生成能とVFAs生成能は,いずれもとくに低かつた.
    4. 胃内のVFAs量は,いずれの飼養条件のもとでも,採食後10~12時間目に最高に達し,以後漸減して,24時間後にはほぼもとのレベルに復帰した.
    5. 発酵管を使用して測定すると,生成されたガス量と,その開に生成されたVFAs量との間に,正の相開が認められた.
  • III. 尿素グルコシドの構造
    笹子 謙治
    1962 年 32 巻 6 号 p. 335-338
    発行日: 1962年
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    尿素グルコシドについて,0-ジニトロベンゼン反応,SEZIWANOFF試験,DISCHE-BORENFREND反応などの呈色反応,ニトリル化,旋光度の測定,過ヨウ素酸酸化および赤外線吸収スペクトルを検討した.
    その結果,この化合物はurea β-D-glucopyranosideであることが認められた.
  • 石橋 功
    1962 年 32 巻 6 号 p. 339-343
    発行日: 1962年
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    ラットとの未受精卵子の最終的運命を検討して,次の結果を得た.
    1. 未受精卵子が子宮に到達する時期は,排卵後おおむね68~75時間である.
    2. 排卵後74~92時間では,一貫して平均8ないし9.6個の子宮内卵子が得られた.排卵後94~96時間(次期排卵時)では,7個体中2個体から16個(うち12は個は次期排卵未了のものから),排卵後98~100時間(次期排卵後2~4時間)では,36個体中2個体から5個の子宮内卵子が得られたにすぎない.なお,これらの時期において,子宮内卵子(2~3個)と次期排卵による卵管内卵子(9~13個)がともに得られたのは,3個体だけであつた.
    3. 5日性周期(休止期が延長したもの)のラットでは,排卵後106~108時間でも,平均8.3個の子宮内卵子が得られ,たとえ時間は経過しても,次期排卵前ならば,卵子の採取は容易であつた.
    4. 腟(外陰部付近)を結紮した4日性周期ラットで,排卵後102~104時間のものでは,腟内に分泌液が充満し,分解した卵胞細胞群を多数認めたが,6個体のうち2個体から,それぞれ1個と4個(次期排卵による卵管内卵子9個と13個)の腟内卵子が得られた.
    5. 子宮から卵子が採取できなかつた42個体のうち41個体では,子宮分泌液がなく,採取できた26個体のうち20個体では,子宮分泌液が存在した.このことから,卵子が採取できることと,子宮分泌液の存在とは,密接な関連があることがわかつた.
    6. 排卵後80~81時間以後の卵子においても,そのほとんど全部が透明帯を有する.これを消失したものは,少数(195個のうち4個)に過ぎない.
    7. 以上の結果から,未受精ラット卵子は,排卵後68~75時間で子宮にはいり,次期排卵時に,子宮分泌液とともに,腟を経て体外に排泄される機会が多いと考えられるが,分解した状態で排泄されることも,あり得ると推測される.
    終わりに,指導を賜わつた加藤浩教授に深い感謝の意を表する.
  • I. 山羊第一胃内の細菌数,遊離B群ビタミン類含量等の日周的変動性
    植村 定治郎, 須藤 恒二, 藤井 義紹, 遠藤 明, 熊井 啓治, 古坂 澄石, 扇元 敬司
    1962 年 32 巻 6 号 p. 344-350
    発行日: 1962年
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    青草のみで,あるいは牧乾草と濃厚飼料で,飼育した永久瘻管(フィスチュラ)着装の山羊の第一胃内容物をフィスチュラを通じて,採食の直前から以後24時間まで,4時間ごとに採取した.これらの試料について,pH,好気性および嫌気性細菌類の生菌数,および6種の遊離B群ビタミン類(チアミン,リボフラビン,ピリドキシン,ビオチン,ニコチン酸およびパントテン酸)の含量を検索した.その結果,採食によつて,胃内容物のこれらの要因は,多少の差はあれ変動するが,pHおよび供試のB群ビタミン類含量は,採食後24時間以内に,それらのもとのレベルにほぼ復帰することを知つた.検索した両細菌群の生菌数は,24時間以内には十分な復帰を示さなかつたが,以後24時間ごとに採取した試料を調べてみて,2日目には大体もとのレベルに復帰することがわかつた.なお胃内ビタミン含量レベルが,飼料中の含量レベルに左右されると推定されることから.胃内におけるB群ビタミン類の合成についても再検討すべきことを指摘した.
  • II. 青刈り玉蜀黍埋草飼養緬羊の第一胃内容物諸要因の日周的変動性
    遠藤 明, 熊井 啓治, 須藤 恒二, 植村 定治郎
    1962 年 32 巻 6 号 p. 351-354
    発行日: 1962年
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    Rumen filtrates collected from sheep fed corn silage and concentrate were examined for diurnal changes in pH, gas production activity, the numbers of aerobic and anaerobic bacteria, and contents of several free B-vitamins (thiamine, riboflavin, pyridoxine, biotin, pantothenic acid and nicotinic acid).
    Values of pH, gas production activity, free B-vitamins contents and the number of bacteria of the rumen filtrates varied temporarily with the lapse of time after feed had been taken by the animals. Then they returned gradually to their initial levels. The results obtained in this case showed a tendency quite similar to, but more distinct than, that described in the previous paper dealing with goates which had been either grazed or fed hay and concentrate. Furthermore, two distinctive patterns were well noticed in changes in free B-vitamins contents of the rumen filtrates, and their gas production activity was at a signicantly higher level in this case.
  • I. 豚肉の電気抵抗に対する温度の影響
    大高 文男
    1962 年 32 巻 6 号 p. 355-361
    発行日: 1962年
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    豚肉を用いて,肉の静電容量および電気抵抗と温度との関係について実験し,次のような結果を得た.
    1. Kohlrausch橋を用いて,新鮮な肉の電気抵抗を測定する場合,肉の持つ静電容量を補償するために,250~1,000μμFのコンデンサーを標準抵抗と並行に用いたところ,無音点の判別がしやすくなつた.
    2. 豚肉の電気抵抗は,温度によつて影響を受けた.その逆数である電気伝導度と温度(実験したのは7~25°Cの範囲)とは,ほぼ直線的な関係を示して変化した.そして,腿肉,肩肉および背肉の肉片の場合,これらをWaring blenderで細切混合してひき肉とした場合,またひき肉に,さらに脂肪肉や食塩を混合した場合も,電気抵抗値R(Ω9)と温度t(°C)とは,R=C/a+bt(a,b,cは常数)なる式で表わしうる関係にあることがわかつた.
    3. ある一定の温度の電気伝導度kt'を基準として,各温度における電気伝導度ktの指数Iを求め,指数Iと温度tとの関係式I=1+b(t-t)を得た.この式のb,すなわち温度係数を,各肉片とひき肉について算出し,比較してみた.その結果,肉片の場合は,個体や鮮度によつて,その値がある程度異なつていたが,ひき肉の場合は,いつも大体同じような値であつた.7°Cにおける電気伝導度を基準とした場合には,I=1+0.0287(t-7)なる式が成立した(ただしtは7~25°).
    ひき肉の温度係数は,塩類水溶液のそれにほぼ等しかつた.そこで,肉片の場合には,肉の組織構造および状態変化などの影響も考えられるが,ひき肉の場合には,電気伝導度に影響するイオンの温度による変化は
  • 熊崎 一雄, 森 純一
    1962 年 32 巻 6 号 p. 362-368
    発行日: 1962年
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    岡山,徳島,宮崎の各県下に,合計13頭のアルビノ牛が発生した.これらの血統調査,外貌観察,被毛および眼球組織の顕微鏡的観察を行ない,次の結果を得た.
    1. これら13頭は,4頭の優良種雄牛から生れたものであつて,先に松本らが報告した3頭のアルビノ牛と密接な血縁関係をもつていた.
    松本らが報告した3頭も念めて,総計15頭のアルビノ牛が,種雄牛FM号の血を引いていた.残りの1頭では,その父親が,北海道に発生したアルビノ牛と半兄弟の関係にあつた.
    これらの関係から,アルビノ牛の発現は劣性遺伝子に支配されるものと推定される.
    2. 6ヵ月以上観察を続けることができたアルビノ牛には,すべて幽霊斑が出現した.この出現には,性の差が関与するといわれているが,今回調査したなかで,雄はすべて生後間もなく売却屠殺されたので,これを確認することができなかつた.幽霊斑が出現する原因は,被毛に含まれる色素の多少によるものではなく,被毛の構造の違いによるものと思われる.
    3. これらの牛は,出生後しばらく強い羞明現象を表わしたが,成長するに及んでその程度を減じた.
    4. 成長するに従つて,虹彩および毛様体部に色素の沈着を認めた.また一部のアルビノ牛の眼瞼および耳の皮膚に暗色の小斑点の出現を認めた.これらの事実から本アルビノ牛は不完全アルビノと推定された.
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