日本畜産学会報
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49 巻, 10 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
  • 並河 澄
    1978 年 49 巻 10 号 p. 721-732
    発行日: 1978/10/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
  • 阿部 亮, 堀井 聡
    1978 年 49 巻 10 号 p. 733-738
    発行日: 1978/10/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    グルコアミラーゼの前処理を施すことによってデンプンを加水分解除去し,その後に中性デタージェントでの処理を行なうというシステムで,従来デンプンを含むがゆえにCW, NDFの定量ができなかった穀類,配合飼料などでも,その定量を可能にすることができた.また,その手法の応用として各種の配合飼料(養鶏用配合飼料,養豚用配合飼料および乳牛用配合飼料)を分析し,その性質の比較を行なった.その結果,NDF含量などにおいて差が認められた.さらに配合飼料原料についても,その化学成分の分析とCWのin vitro消化試験を行ない,配合飼料の性質を究明するための情報を提供した.in vitroの消化試験では,大豆粕,ヤシ粕のCW消化率が最も高く,88.1%と84.1%の値を示し,穀類ではトウモロコシとマイロが73.0%と71.5%で似た値であったが,大麦はそれよりも低く,52.3%の値であった.また,脱脂米ヌカとフスマのヌカ類では,それぞれ56.8%と59.8%の値であった.大豆粕,ヤシ粕を除いた油粕類は一般的に非常に低い値であった.
  • 三宅 正史, 丹羽 晧二, 入谷 明
    1978 年 49 巻 10 号 p. 739-744
    発行日: 1978/10/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    Wistar系の幼若雌ラットから得られた過排卵卵子と,前培養30分以内の精巣上体精子を,修正KRB液中に入れ,5%CO2,95%空気,37°Cの培養器内で培養し,3.0~8.5時間後に至るまで,0.5~1時間の間隔で卵子をとり出して精子侵入の状態を観察した.その結果,精子侵入は授精後3.5~4.0時間目に始まり,6.0時間目にはほぼ完了し,その侵入率は平均87%であった.囲卵腔に侵入した精子が卵細胞質内で膨化の徴候を示すまでに約1時間を要し,その後膨化が精子頭部全域におよび,授精後6.0時間目には侵入卵子の80%に精子頭部の膨化がみられた.またこの時間にはじめて全侵入卵子の10%の卵子に核小体の出現が観察され,授精後8.5時間目には全侵入卵子の96%において前核形成が認められた.これらの結果から,精子が囲卵腔に侵入後卵細胞質内で膨化を開始するのに約1時間を要し,膨化が精子頭部全体におよぶのに約1.5時間を要すること,また精子侵入後前核形成が始まるまでに2.5~3.0時間を要することが知られた.なお多精子侵入卵および多精子受精卵はいずれもきわめて高率に観察され,この観察時間の範囲では,時間の経過とともにその割合の増加する傾向がみられた.
  • I. 乳成分の影響
    高見沢 康太郎, 工藤 聡, 馬田 三夫
    1978 年 49 巻 10 号 p. 745-752
    発行日: 1978/10/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    原料脱脂粉乳に起因する乳酸菌飲料の酸沈殿機構を解明することを目的に検討を行い,次のような結果を得た.1) 酸沈殿陽性脱脂粉乳と酸沈殿陰性脱脂粉乳とでは,各種成分,理化学的性状およびカゼインミセルの形状に差が認められなかった.2) 各脱脂粉乳の16%(w/v)溶液を超遠心分離して,ペレット,乳発光層区分および上清に分別すると,酸沈殿の主成分は上清中に含まれていた.3) 上清を透析法を用いて,低分子区分と高分子区分とに分別すると,酸沈殿の主成分は高分子区分に含まれ,それは主に乳清蛋白質であろうと考えられた.4) 乳清蛋白質のなかには,酸沈殿を誘因する成分と抑制する成分のあることが認められ,前者は主にオイグロブリンおよびプロテオース•ペプトンの成分8であり,後者はβ-ラクトグロブリン,プソイドグロブリンおよびプロテオース•ペプトンの成分3であった.5) 酸沈殿誘因成分と,抑制成分の量的バランスを変えて調製した各再構成脱脂乳の酸沈殿は,それらの量的バランスによって左右された.
  • II. β-ラクトグロブリン,コンポーネント3, オイグロブリンの影響
    工藤 聡, 高見沢 康太郎, 馬田 三夫
    1978 年 49 巻 10 号 p. 753-760
    発行日: 1978/10/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    前報1)において,乳酸菌飲料の酸沈殿抑制作用(〓作用)を示したβ-ラクトグロブリン(β-Lg)とプロテオース•ペプトンのコンポーネント3(C-3)逆に酸沈殿誘因作用(〓作用)を示したオイグロブリン(Eug)の作用機構について検討した.その結果,β-Lgが〓作用を発揮するためには加熱処理により,カぜインミセルと相互作用させることが必須であり,かつ-S-S-結合を阻害しても〓作用は生じた.一方,C-3を未加熱および加熱脱脂乳から調製したがどちらも〓作用を示し,加熱による差は認められなかった.またC-3は乳培地に添加してから加熱すると,〓作用が著明に現われたが,乳培地加熱後に添加した場合にもその作用が認められたので,C-3とβ-Lgの〓作用機構は異なることが示唆された.またEugをさらにIgM,IgGおよび高密度リポ蛋白質(HDL)とに分別すると,HDLに強い〓作用が認められた.HDLは水に透析し凍結乾燥すると不溶性となるが,これにC-3 や β-Lgを混合して超音波処理を行うと,C-3共存下の場合に限ってHDLの分散性が高められた.従って乳酸菌飲料の酸沈殿は,Eug中のHDLが主因であり,一方,β-Lgは加熱によりカゼインミセルに付着して,ミセル表面の性質を変えることにより,またC-3は主にHDLの溶解性を高めることにより,酸沈殿を抑制することが推定された.
  • 中井 博康, 池田 敏雄, 安藤 四郎, 斎藤 不二男
    1978 年 49 巻 10 号 p. 761-767
    発行日: 1978/10/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    PSE豚肉は高温と低pHの組合せによって発生することが明らかにされており,cold shorteningは死後筋肉を急激に冷却すると観察される現象である.そこで,屠殺直後の豚筋肉(半膜様筋と胸最長筋)を挽肉にして0,10,20,30,40°Cの各温度に放置した場合,それぞれの温度が豚筋肉の品質におよぼす影響を検討するため,挽肉のpH,7分加熱燐含量,保水力,ミオシン系蛋白質の抽出性,色調の死後変化を調べた.豚挽肉のpHおよび7分加熱燐含量は,高温度区ほど死後急速に低下した.豚挽肉を30°C以上の温度に放置すると,ミオシン系蛋白質の抽出性が急激に低下しその後の上昇がみられず,保水力,色調が劣化し,いわゆるPSE筋の様相を示した.これらのことはGREASER et al.27,28), PARK et al.29)の報告から考えて,豚筋肉を人為的に高温度に放置しても,筋肉のpHが急速に低下し,いわゆる高温と低pHの環境下で筋原線維の不可逆的収縮と,それに重層したミオシンの変性がおこり,PSE筋が発現するという機構を示唆している.死後24時間の豚挽肉のミオシンBの抽出性は,0°C区より10°C区のほうが,10°C区より20°C区の方が高く,ミオシンBの抽出性が筋肉の収縮の程度と一致していると考えると,豚筋肉でもcold shorteningがおこるものと考えられたが,豚挽肉の保水力は0°C,10°C,20°Cの間に殆んど差がみられず,豚挽肉の色調も低温で貯蔵するほど退色が少ないことから,豚筋肉ではcold shorteningの品質へおよぼす影響は殆んど無視できるものであった.
  • 大石 孝雄, 田中 一栄, 野口 博道, 阿部 恒夫
    1978 年 49 巻 10 号 p. 768-774
    発行日: 1978/10/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    日本に飼育されているデュロック種の任意抽出による集団85頭の血液型調査を行い,その血液型変異を主として他の欧米品種と比較した.そして血液型遺伝子頻度を用いて,親子鑑別の有効性,集団の均質度,品種間の遺伝的類縁関係などを分析した.血液型調査は,赤血球抗原型として8システム(A,E,F,G,H,K,L,O),血清蛋白質型として5システム(Tf,Pa,Hp,Cp,Am)について行った.その結果の要約はつぎのとおりである.1) デュロック種の血液型を各システムごとにみると,O,Cp,Amシステムを除き,個体変異を示した.そして他の欧米種に比べ,Ha,Ka,Lh,Lh,Hp2,Hp3遺伝子の頻度が高いのが特徴であった.2) 各システムにおいて算出した遺伝子頻度から求めたデュロック種の,全システム総合の個体識別の確率は0.99915で,父権否定の確率は0.723であり,他の欧米種より低い傾向にあった.システムごとの比較では,変異の多いE,Hpシステムが高い値を示した.3) デュロック種の均質指数は,欧米品種の中ではバークシャー,大ヨークシャー種などと共に比較的高い数値を示した.4) 血液型の遺伝子頻度から算出した他品種との遺伝的距離の分析から,デュロック種は,東洋種とは完全に異る欧米種のグループに属していたが,その中ではイギリス系種とは距離が遠く,ランドレース種と近い距離を示した.
  • 小林 亮英, 牧野 憲二, 小川 キミエ
    1978 年 49 巻 10 号 p. 775-776
    発行日: 1978/10/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
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