日本畜産学会報
Online ISSN : 1880-8255
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90 巻, 3 号
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一般論文(原著)
  • 今田 彩音, 小川 伸一郎, 木全 誠, 石井 和雄, 上本 吉伸, 佐藤 正寛
    2019 年 90 巻 3 号 p. 207-212
    発行日: 2019/08/25
    公開日: 2019/09/13
    ジャーナル フリー

    乳頭数を選抜指標としたブタの生存産子数における改良の可能性を検討するため,雌系純粋種豚の乳頭数および生存産子数における遺伝的パラメーターを推定した.ランドレース種および大ヨークシャー種における正常乳頭数の記録(それぞれ20,405頭および17,738頭),生存産子数の記録(64,810件および51,798件)および血統記録(79,224頭および68,615頭)を用いた.正常乳頭数には通常のアニマルモデル,また生存産子数には反復率アニマルモデルを用いた.正常乳頭数の遺伝率および生存産子数との遺伝相関は,ランドレース種でそれぞれ0.24および0.01,大ヨークシャー種で0.30および-0.24と推定された.以上の結果より,両品種において乳頭数と生存産子数との遺伝的関連性は低く,乳頭数を選抜指標とした生存産子数の改良の可能性は限定的であることが示唆された.

  • 中川 浩, 中川 邦昭, 瀬田 剛史, 長井 誠, 早川 裕二, 秋山 清, 稲葉 泰志, 今井 敬, 下司 雅也
    2019 年 90 巻 3 号 p. 213-218
    発行日: 2019/08/25
    公開日: 2019/09/13
    ジャーナル フリー

    性選別精液または通常精液を用いた採胚を泌乳中のホルスタイン種で行い,通常精液で得られた胚はLAMP法で雌雄判別を実施した.性選別精液で回収された雌胚数は1.0個,通常精液で回収後,雌と判別された胚数は0.8個となり有意差は認められなかった.また,FSHなどによる卵胞刺激処理後にOPUし,性選別精液を用いて体外受精を行う卵胞発育同調区(FGT区)と任意の発情周期にOPUし,性選別精液で体外受精する対照区を設定し,泌乳中ホルスタイン種で試験を実施した.OPU1回あたりの雌胚発生数はFGT区で2.4個となり,対照区の1.3個よりも有意に多かった(P<0.05).通常精液で採胚,胚回収後性判別する方法を対照とし,その他3つの雌胚作出方法について比較したところ,FGT後OPUにより採取した卵子を性選別精液により体外受精する方法で有意に多くの雌胚が得られることが明らかとなった.

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