日本畜産学会報
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54 巻, 8 号
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  • 高橋 興威
    1983 年 54 巻 8 号 p. 423-436
    発行日: 1983/08/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
  • 杉田 正見, 伊藤 和彦
    1983 年 54 巻 8 号 p. 437-443
    発行日: 1983/08/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    姫路白なめし革の製造工程,特に脱毛工程の合理化を図る目的で,川づけ脱毛と石灰-硫化物による脱毛を行い,製造過程における皮線維の分離,製出革の化学組成および機械的強度などを比較して,川づけ法に代る石灰-硫化物法の可能性を検討した.得られた結果は次の通りである.皮線維の分離に関し,脱毛の段階で,石灰-硫化物法では線維束および線維の分離も多く見られたが,川づけ法では線維束までの分離が大部分で,線維までの分離が少なかった.石灰-硫化物法ではその後あたかも線維が線維束に再集合したかのようになったが,塩出し後のもみ作業で再び線維までの分離が進行した.製品革では石灰-硫化物法の方が川づけ法よりも線維の分離がより顕著に観察された.製品革の化学組成および脂肪分の層別分布状態には両脱毛法間に大差がなかった.製品革の引裂強さ及び銀面割れ試験(荷重)結果には両脱毛法間に有意の差が認められ,石灰-硫化物法の方が川づけ法より低かった.これは線維の分離状態の差に起因するものと考えられるが,実用上は問題がない.これらの結果から,脱毛法を川づけ法から石灰-硫化物法に置き替えることが可能で,脱毛期間の大巾な短縮と工程管理の改善が図られるものと思われる.
  • 滝川 明宏, 大山 嘉信
    1983 年 54 巻 8 号 p. 444-450
    発行日: 1983/08/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    脂肪の酸化の程度とその毒性との関連性を検討するために,60°Cで通気して自動酸化させた大豆油を雛に対して給与し,その影響を調べた.大豆油の自動酸化の過程を誘導期,過酸化物蓄積期,カルボニル化合物等の蓄積および重合体形成期の3期に大別することができる.誘導期には油中のα-トコフェロール含量が著しく減少したが,過酸化物はほとんど蓄積されなかった.この油を給与した雛の血漿中のトコフェロール含量は著しく減少したが,脳軟化症は軽症のものが散発するにすぎなかった.過酸化物蓄積期は油中のβ,γ,δ-トコフェロールが減少し,過酸化物が多量に蓄積された.血漿トコフェロール含量は著しく低下し,脳軟化症の発症は過酸化物価の上昇に伴い増加し(最高83%),死亡するものも少なくなかった.しかし雛の発育は低下せず,脂肪の消化率も新鮮油と大差なかった.カルボニル化合物等の蓄積期は,過酸化物の蓄積がピークを超え,一方,カルボニル化合物,遊離脂肪酸等が顕著に蓄積された.脳軟化症の発症はやや低下したが,増体量,飼料摂取量,飼料効率,脂肪の消化率および代謝エネルギー含量が顕著に低下した.また,腸管の肥厚が認められた.本期の末期には油の粘度が顕著に上昇し,重合体の形成が示唆された,以上の結果から,雛の脳軟化症発症は主として過酸化物によるものと推測され,雛に対する過酸化物価30以上の油の多給は好ましくないと考えられる.また,過度に酸化した油による発育および飼料効率の低下,ならびに腸管の肥厚は主としてカルボニル化合物等,油の酸化2次生成物によるものと推定された.
  • 伊藤 整, 阿久澤 良造
    1983 年 54 巻 8 号 p. 451-456
    発行日: 1983/08/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    牛乳カタラーゼの凍結乾燥による変性機構ならびに変性阻止剤を明らかにするため,カタラーゼを凍結乾燥し,それに伴う酵素活性および構造上の変化を検索した.カタラーゼを凍結乾燥すると,活性中96%近くが失活するが,あらかじめ0.03M濃度の塩類,糖類,アミノ酸等を添加しておくことによって,程度の差はあるが,変性が阻止される.中でも,ショ糖の効果が最も高く,1%しか失活しない.次にブドウ糖の1.4%,乳糖の6.7%であり,糖類の変性阻止剤としての有効性が確かめられた.また凍結乾燥により,カタラーゼの至適pHは,酸性剤に移行し7.0となる.また温度安定性はnativeなカタラーゼにくらべ若干高い.さらにカタラーゼのサプユニットへの解離状況を,Sephadex G-200カラムクロマトグラフィーを用いて調べた.あらかじめ,ショ糖等の糖類を添加し,凍結乾燥した場合には,ゲル濾過しても,まったく解離サブユニットは現われてこない.しかし無添加の場合には,明らかに2つのサブユニットが解離し,いずれも酵素活性を持たず,分子量はそれぞれ約42,000,26,000と推定された.
  • 阿部 又信, 鈴木 裕一郎, 岡野 英男, 入来 常徳
    1983 年 54 巻 8 号 p. 457-462
    発行日: 1983/08/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    いずれも第一胃にフィステルを装着したホルスタイン種成雌牛2頭,日本在来種成雌山羊2 頭,メリノー種成雌羊1頭を供試し,条件を種々変えて飼料給与前後における第一胃内全毛虫濃度の経時変化を測定し,その変動パターンを種間で相互に比較した.その結果,山羊•羊と牛との間には明らかに相違が認められ,前2者の第一胃内では飼料給与前からすでに全毛虫濃度の増加が認められたが,牛では飼料を給与してはじめて急激な増加を見た.牛では,飼料給与時刻をいつもの時間から1時間遅らせても,実際に給与を開始するまで全毛虫濃度の増加は起きなかったが,山羊•羊の場合には,飼料給与時刻を突然遅らせると,実際の給与時刻以外に,それまで慣習としていた時刻の近辺でも全毛虫濃度の増加が認められた.山羊1頭を仲間から隔離してその日から飼料給与時刻を遅らせると,隔離当日を除き最初の数日間は,隔離以前の慣習的な飼料給与時刻の付近でも全毛虫濃度の増加を認めたが,5日目以後そのような増加は認められなくなった.以上の結果を,全毛虫類の生態に関して先に提唱した「第二胃内隠棲-第一胃内移動」説に基づいて考察すれば,全毛虫類の第二胃から第一胃内への移動には何らかの第二胃運動が関与し,その種の第二胃運動は牛では飼料摂取に伴って生ずるが,山羊や羊では実際の飼料摂取とは無関係に,条件反射的に誘起されることを示唆するものと考えられた.
  • 熊崎 一雄, 芝田 猛
    1983 年 54 巻 8 号 p. 463-469
    発行日: 1983/08/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    1977年から1980年の間に鹿児島,宮崎,大分および長崎の各県畜産試験場で実施された黒毛和種産肉能力検定間接法の成績を用いて,九州地域に導入された兵庫県産種雄牛の1日平均増体量,ロース芯面積およびロース芯脂肪交雑に対する育種価をHENDERSONの種雄牛間の血縁係数行列の逆行列をとりいれたBLUP法を用いて推定した.材料は23頭の兵庫県産種雄牛を父親にもつ179頭の去勢子牛の記録であった.種雄牛は父親の血統から田安系と茂金系の2つの系統群に分けられた.BLUPのための混合モデルには母数効果として検定場所効果と系統群効果,変量効果として種雄牛効果をとりいれた.得られた結果を要約すれば次のとおりである.1) 田安系に属する種雄牛間の平均血縁係数は23.3%,茂金系に属する種雄牛間の平均血縁係数は15.9%であった.また田安系と茂金系の種雄牛間にも平均5.8%の血縁関孫が認められた.2) 系統群効果(Gi)では,田安系(G1)が茂金系(G2)にくらべて1日平均増体量およびロース芯脂肪交雑においてすぐれていたが,ロース芯面積にはほとんど差がなかった.3) 種雄牛の育種価を(Giij)によって推定し,これによって種雄牛の序列をつけると,1日平均増体量については一般に田安系に属する種雌牛の育種価の方が茂金系の種雄牛よりもすぐれている傾向が認められた.ロース芯面積については系統群間の差よりも種雄牛個体間の差の方が大きかった.ロース芯脂肪交雑については田安系の種雄牛が茂金系の種雄牛より圧倒的にすぐれていた.4) 種雄牛分散成分と誤差分散成分の最尤推定値を求め,種雄牛分散に対する誤差分散の比(k)について検討を行った.
  • 小堤 恭平, 川西 隆智, 伊藤 健, 山崎 敏雄
    1983 年 54 巻 8 号 p. 470-475
    発行日: 1983/08/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    同一条件で育成•肥育した各3頭の黒毛和種およびホルスタイン種去勢牛における蓄積脂肪の脂肪酸組成について調べた.蓄積脂肪はそれぞれ13種類の異なった部位から採取し,それぞれについて分析した.両品種において,それぞれの脂肪酸組成については統計的に差がなかった.しかしながら,肥育した黒毛和種去勢牛の各々の蓄積脂肪はホルスタイン種去勢牛の各々のものより多くの不飽和脂肪酸を含有していた.ブリスケの脂肪は他の蓄積脂肪に比較して不飽和脂肪酸が多かった.両品種とも全不飽和脂肪酸量は皮下脂肪に多く,筋間,内臓脂肪と動物体の内部に入るにしたがって減少する傾向が見られた.しかしながら,黒毛とホルスタイン種去勢牛の蓄積脂肪における全不飽和脂肪酸含量に関しては品種の差があるように思われる.
  • 入来 常徳, 額田 昌安, 阿部 又信
    1983 年 54 巻 8 号 p. 476-478
    発行日: 1983/08/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
  • 大橋 登美男, 芳賀 聖一, 山内 清, オールソン ノールマンF.
    1983 年 54 巻 8 号 p. 479-481
    発行日: 1983/08/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
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