日本畜産学会報
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44 巻, 4 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 安保 佳一
    1973 年 44 巻 4 号 p. 189-200
    発行日: 1973年
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
  • 山内 清
    1973 年 44 巻 4 号 p. 201-206
    発行日: 1973年
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    生肉に比較して,加熱肉はその酸敗が速やかであることがよく知られている.今回,この原因を追究する目的で,まず鶏肉から分離したミトコンドリア画分に加熱処理を施して,ミトコンドリア画分から遊離する遊離脂質量とその脂肪酸組成を調べた.得られた結果の要点は,次のとおりである.鶏肉(M. pectoralis profundus)のミトコンドリア画分から石油エ一テルで抽出された遊離脂質量,そのリン脂質と遊離脂肪酸量,および遊離脂質の高度不飽和脂肪酸量は,未加熱処理ミトコンドリア画分よりも加熱または過加熱処理ミトコンドリア画分において多かった.この結果から,遊離脂質のリン脂質および高度不飽和脂肪酸量の増加が,生肉に比較して加熱肉の酸敗が促進される一因と考えられる.
  • 山内 清
    1973 年 44 巻 4 号 p. 207-211
    発行日: 1973年
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    筋組織に存在するヘム化合物の大部分はミオグロビソで,このミオグロビンが肉の酸敗と密接な関係にあるが,実際に肉の酸敗とミオグロビン量の関係について詳細に調べた報告はあまりない.そこで今回,鶏肉から分離したミトコンドリア(M)画分の酸敗に及ぼすメトミオダロビン(MetMb)の影響,ならびにM画分-MetMb系に未加熱,加熱および過加熱処理を施し,好気的条件で18時間保持後,その酸敗を調べた.その得られた結果の要点は,次の通りである.未加熱M画分-MetMb系において,筋組織5gに相当するM画に,MetMbの添加量が0.2%に達するまでは,M画分の酸敗を促進したが,MetMbを0.2%以上添加しても,それ以上酸敗を促進しなかった.加熱M画分-MetMb系において,M画分の酸敗は,MetMbの添加量が0.2%に達するまで,非常に促進されたが,MetMbの添加量が0.2%以上に増すと,M画分の酸敗の程度はかえって漸次減少した.未加熱および加熱M画分-MetMb系の両者において,0.2%のMetMbに5~20gの筋組織に相当する量のM画分を添加すると,M画分の酸敗程度は,M画分の添加量が増すとともにほぼ直線的に増加した.上述した結果から,ヘム化合物に対する脂質の割合が,加熱肉の酸敗において,重要な役割を演じていると考えられた.過加熱M画分-MetMb系では,M画分にMetMbを添加すると,M画分の酸敗が抑制された.
  • 田中 桂一, 清水 良三, 林 英夫
    1973 年 44 巻 4 号 p. 212-215
    発行日: 1973年
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    1) ヤギにサフラワー油をサフラワー種子として給与した場合およびサフラワー種子から抽出したサフラワー油として給与した場合,第一胃内における不飽和脂肪酸の水素添加におよぼす影響を検討した.2) 両処理ともトリグリセリドはすみやかに加水分解をうけ,脂肪酸を遊離したが,サフラワー油を給与した時の方が遊離型脂肪酸の増加が早かった.3) サフラワー油およびサフラワー種子給与によって,第一胃内容物中の遊離型脂肪酸分画のC18は6時間後まで減少し,その後実験終了時まで増加した.一方C1-18はサフラワー油給与によって9時間後,サフラワー種子給与によって6時間後まで増加し,その後実験終了時まで減少した.その程度はいずれもサフラワー油を給与した時の方が著しかった.
  • 鈴木 省三, 左 久
    1973 年 44 巻 4 号 p. 216-221
    発行日: 1973年
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    1) 舎飼した乳牛の1日の採食行動のパターンを研究するために,4頭の乾乳牛に1日1回乾牧草を十分量与え,採食•反芻行動を記録し,給与時刻を午前8時から午後8時に変えて,採食量•時間•速度•反芻時間を比較した.2) 午後8時に給与した方が午前8時に与えた時よりも平均採食量はやや多く(有意差なし),反芻時間は長かった(P<0.05).3) 採食と採食速度のピークは給与時刻にかかわらず給与直後にあらわれ,自由採食をさせる場合でも,飼料を給与することが採食を刺激し,日周採食行動に大きな影響を与えること認められた.しかし一面では,従来から認められていた昼夜の採食行動の相違も一部残されすいた.4) 反芻は採食パターンの変化に応じて増減し,採食の多い時間帯には減少した,また,2時間ごとの総そしゃく時間(採食+反芻)をみると,飼料給与直後にもっとも長く,以後漸減する傾向があった.
  • 佐々木 康之, 大城 政一, 三浦 稔, 津田 恒之
    1973 年 44 巻 4 号 p. 222-231
    発行日: 1973年
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    本報告は寒冷時におけるめん羊のカテコラミン尿中排泄の変動を把握して,寒冷がめん羊の生理諸元におよぼす効果を究明しようとしたものである.寒冷(0°C)によってめん羊のノルァドレナリソ(NA)排泄量は常温(20°C)の18.5μg/日から49.5μg/日に著しく増加し,同時にアドレナリン(A)排泄量も3.0μg/日から11.7μg/日に著増した.心拍数も72回/分から88回/分に有意に増加した.このことは寒冷によってA作働性神経活動も副腎髄質活性も共に高まったことを示している.環境温をふたたび常温にもどすとA排泄量は2.8μg/日に低下したが,NA排泄量および心拍数は,それぞれ40.2μg/日および88回/分いぜんとして高く,両者ともに寒冷時との間に有意差は認められなかった.このことから,めん羊が寒冷に順化(acclimation)して活発化した副賢髄質機能は動物を常湿に戻すとただちに正常レベルに戻るが,寒冷時に高まったA作動性神経活動はただちに脱順化(deacclimation)することはなく,いぜんとして高レベルにあることが明らかになった.環境温を寒冷から常温に戻すと呼吸数は14回/分から29回/分に2倍に増加し,かつこの値は寒冷前の常温における値20回/分を凌ぐものであった.このことは寒冷で増加した熱生産が常温でもいぜんとして高いために体熱の放散を活発にしようとする機購が働いたことを示すものであろう.実験期間中の体温は39°C前後で,寒冷による変化は認められなかった.
  • 佐藤 泰, 渡辺 乾二, 石原 良三
    1973 年 44 巻 4 号 p. 232-240
    発行日: 1973年
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    この研究は,新鮮卵白のにおいに関係するアミン類と中性物質を,薄層クロマトグラフィーやガスクロマトグラフィーで検出あるいは同定することを目的とする.前報では,透析法と水蒸気蒸留法を使ってこれらの化合物をあつめ,薄層クロマトグラフィーによって検出した.今回は窒素ガス通気法および除たん白質溶液からの抽出法によって,これらの化合物をあつめ,薄層クロマトグラフィーおよびガスクロマトグラフィーによって分析した.
    アミン類としては,アンモニア,メチルアミン,ラウリルアミン,ヘキシルアミン,オクチルアミン,1,3-ジァミノプロパン,プトレシン,カダベリン,エチレンジアミン,1,6-ヘキサメチレンジアミン,モノエタノールアミンが同定され,スペルミンとスペルミジンも検出された。中性物質としては,アセトアルデヒド,アセトン,2-ブタノン,2-ヘプタノン,メタノール,エタノール,ブタノールが同定された.硫黄化合物は全く検出されなかった.新鮮卵白のにおいは一つの化合物で表現できるものでなく,今回および前回の報告で検出されたアミン類や中性物質が混合して発生するものらしい.
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