日本畜産学会報
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59 巻, 2 号
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  • 中原 達夫
    1988 年 59 巻 2 号 p. 107-116
    発行日: 1988/02/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
  • 久米 新一, 栗原 光規, 高橋 繁男, 相井 孝允
    1988 年 59 巻 2 号 p. 117-122
    発行日: 1988/02/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    ホルスタイン種泌乳牛4頭を環境制御室に収容し,環境温度18°C,相対湿度60%の一定に維持した条件下で,泌乳牛の主要ミネラル出納と乳量との関係を検討した.泌乳牛には,ビートパルプを乾物で約4kg,また粗飼料と配合飼料の比率を1:1にして飼料給与し,粗飼料にはオオクサキビサイレージおよびトウモロコシサイレージを利用した.実験は,給与粗飼料全体に占めるオオクサキビサイレージの乾物割合を0,30,50および70%の4水準を設定し,1期2週間のユーデン方格法で行なった.オオクサキビサイレージの主要ミネラル濃度がトウモロコシサイレージのそれよりも高い値を示したが,泌乳牛の主要ミネラル摂取量はほぼ要求量を満たしていた.牛乳の主要ミネラル濃度と乳量間には,Ca濃度が5%水準で,またPおよびMg濃度が1%水準でそれぞれ負の有意な相関が得られた.乳量とCa蓄積量間に5%水準で負の有意な相関が,またCa吸収量とP吸収量およびCa蓄積量とP蓄積量間に5%水準で正の有意な相関が得られた.また,高乳量時のCaおよびP出納は負であったが,乳量が減少するにつれてそれらは正に変わったことから,高乳量時には飼料からのCaおよびP摂取だけではそれらの要求量を満たすことができず,体内に蓄積しているCaおよびPを利用してそれらの要求量を補い,乳量が減少した時に再びCaおよびPを体内に蓄積していることが示唆された.泌乳牛のMgおよびNa摂取量がそれらの要求量よりも高いレベルにあったので,MgおよびNa蓄積量はいずれも正の値であった.また,トウモロコシサイレージのK濃度が低濃度であったので,トウモロコシサイレージを多給した場合にはK蓄積量が低下する傾向を示した.
  • 藤田 裕, 高橋 潤一, 松岡 栄, 宗宮 学
    1988 年 59 巻 2 号 p. 123-129
    発行日: 1988/02/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    フード方式によるメン羊のガス代謝計測の精度と実用性をチャンバー方式と比較するために一連の検定試験を実施した.
    フード式呼吸試験装置は,(1) フード部,(2) 換気量調節部,および(3) 酸素,二酸化炭素およびメタン分析計ユニット,の三主要部から構成されている.酸業消費量,二酸化炭素およびメタン産生量は,導入された新鮮外気と排気中の各ガス濃度の差および排気流量から算定される.
    装置内におけるメタノール燃焼試験の結果,酸素消費量と二酸化炭素産生量の実測値は既知量のメタノールから予期される理論値とよく一致した.
    メン羊によるガス代謝の計測成績では,フード方式はチャンバー方式にくらべてガス代謝量が総じて低く測定されたが,両方式間の測定値の差は著しく大きいものではなく,差の有意性は認められなかった.
    作成したフード式呼吸試験装置は,(1) ケージ飼育のメン羊の行動をとくに制約しないこと,(2) ガス代謝の経時的変化を迅速かつ簡便に計測できること,(3) 長時間の連続的な呼吸試験に供用できることなどの要件を満足するもので,メン羊のガス代謝の日内変動やエネルギー消費量の検索に有効に用いうる見通しが得られた.
  • 長嶺 慶隆, 林 孝, 佐藤 博, 西田 朗, 小松 繁樹
    1988 年 59 巻 2 号 p. 130-135
    発行日: 1988/02/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    日本短角種の発育速度が遺伝的に改良されていることを明らかにし,今後最も重要な課題である精肉歩留り向上のために現場後代検定を行なった.1974~1985年に直接検定にかけられた雄牛のうち13頭の種雄牛の息牛183頭の成績を用いて一日平均増体量(DG)の表型価の推移,および遺伝的趨勢をみた.種雄牛の育種価はBLUP法により推定した,種雄牛の育種価の出生年次に対する回帰係数は+10.6g/年(P⟨0.05)であり,息牛におけるDGの表型価の検定年次に対する回帰係数は+30.1g/年(P⟨0.01)であった.1985年9月から1986年1月に出荷された1,009頭の枝肉について5~6肋骨間断面の3ヵ所の皮下脂肪厚,ロース芯面積の測定および脂肪交雑の判定を行ない,現場後代検定を実施した,皮下脂肪厚1,2,3の和および各皮下脂肪厚の平均値は63.8,25.7,21.9,16.3mm,またロース芯面積と脂肪交雑評点の平均値は40.2cm2,0.33であった.精肉量による種雄牛の順位づけを行なうため,17頭のデータを用い5~6肋骨間断面の測定値から精肉量を推定する次の重回帰式を作製した.
    精肉量推定値(kg)=0.492×枝肉重量(kg)-0.280×皮下脂肪厚3ヵ所の和(mm)
    +0.488×ロース芯面積(cm2)+33.31(R=0.95)
    平均枝肉重量の概数340kgと一次回帰式により340kg時の値に補正した各個体の測定値を代入して精肉量推定値を求めた.その結果,現場後代検定における精肉量推定値の平均は202,6kg,枝肉重量340kgに対する精肉歩留りの平均は59.6%であった.1,009頭の枝肉のうち26頭の種雄牛の息牛237頭のデータを用い,BLUP法により各形質のExpected Progeny Difference (EPD)を推定した.EPDは皮下脂肪厚3ヵ所の和では-6,0~+12.1mm,ロース芯面積では-3.0~+2.9cm2,脂肪交雑評点では-0.10~+0.21の範囲であった.前述の精肉量推定式を用いて枝肉重量340kg時の種雄牛別の精肉量を求めたところ,197.9~203.9kgの推定値が得られた.
  • 沼田 正寛, 冨家 崇弘, 水谷 祥彦, 橋本 小由利, 山田 浩之, 中村 豊郎
    1988 年 59 巻 2 号 p. 136-145
    発行日: 1988/02/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    カビ発酵サラミソーセージの熟成風味発現機構の解明の観点から,熟成•乾燥期間中の風味関連物質の生成に及ぼす糸状菌の影響について調べた.糸状菌としてPenicillium miczynskiiを用い,Lactobacillus plantarumにより内部発酵をコントロールしたサラミソーセージ(M. F. S. S.),L. plantarumだけを用いたサラミソーセージ(F. S. S.)およびP. miczynskiiおよびL. plantarumを用いないサラミソーセージ(S. S.)の3種類のサラミソーセージを作り,これらについてそれぞれ表層部,中心部における各種成分の経時変化を比較した結果,次のことが明らかとなった.(1) 熟成•乾燥0日目の試料中に最も多く存在する遊離アミノ酸は,Tau, Gln, Ala, Glyの順であった.その後,F.S. S.およびM. F. S. S.では熟成•乾燥の進行に伴い全遊離アミノ酸量は増加の一途であったが,S. S.では20日目に最高に達した後,減少傾向を示した.しかし,いずれの試験区においても顕著な増加を示した遊離アミノ酸は同じで,Glu, Leu, Lys, Alaであった.(2) アンモニア含量の増減傾向には試験区間に差は認められず.いずれも経時的に増加して,20日目に最高に達した後,減少傾向を示した.(3) 遊離アミノ酸,アンモニア含量とも表層部に比べ中心部の方が多い傾向であった.(4) ペプチドは全試験区とも分子量800程度に主ピークが認められるだけで,経時的に変化することはなかった.(5) 遊離脂肪酸はM. F. S. S.の表層部で顕著な増加を示した.特に熟成•乾燥初期に著しく,10日目で3.5倍に達した.以後20日目まで漸増したが,その後の変化は認められなかった.各遊離脂肪酸の中ではC16:0およびC18:1の増加が顕著であった.これに対して,それ以外の試験区での増加はゆるやかであり,40日目に0日目の約2倍に達したに過ぎない.これらの試験区間においては遊離脂肪酸の増加に量的な差は認められなかった.また,遊離脂肪酸組成はいずれの試験区でも顕著な差は認められなかった.
  • 岡本 新, 前田 芳實, 橋口 勉
    1988 年 59 巻 2 号 p. 146-151
    発行日: 1988/02/25
    公開日: 2008/08/07
    ジャーナル フリー
    4種の野鶏すなわち赤色野鶏,灰色野鶏,セイロン野鶏および緑襟野鶏について,末梢リンパ球培養法により染色体数および核型の同定を試みた.血液は,採血後400-500rpmで分離を行ない,基礎培地としてRPMI-1640,分裂促進剤としてPHAを用い,39°C 5% CO2+95% Airの条件下で培養した.分析は重なりが少なく分散のない分裂中期細胞を各野鶏とも100個選び各々の細胞を写真にとり染色体数および核型を調べた.
    4種の野鶏はすべて2n=78の染色体数を示し,さらに核型においても4種間に著しい違いは認められなかった.78本の染色体は11対の大型染色体群と28対の微小染色体群に分類できた.大型染色体群はメタセントリック,サブメタセントリsックおよびアクロセントリックより構成されていた.一方,微小染色体群は非常に小さく個々の同定は困難であったが,おそらくアクロセントリックであろうと思われた.これらの結果より,野鶏の染色体はこれまで報告されている家鶏のものとほぼ同じであることが示唆された.
  • 星野 忠彦
    1988 年 59 巻 2 号 p. 152-160
    発行日: 1988/02/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    本研究では濃厚飼料多給の同一飼養形態で飼育した黒毛和種(6頭)と日本短角種(6頭)およびそれらの交雑種去勢牛(3頭)の枝肉断面を用い,枝肉の脂肪蓄積を画像解析によって調べ,3品種間差について検討した.これらの肉牛枝肉の格付けは黒毛和種の3頭は「中」であったが,他の枝肉はすべて「並」であった,冷屠体の第5•6胸椎間の横断面のポジカラ-写真を撮り,これを用いてライツ社製画像解析装置のマクロ装置部分によって各部位の面積を測定した.成長は日本短角種と交雑種はほぼ同様であり,黒毛和種はそれらよりもやや劣っていた.断面の筋肉部分は品種間で差はみられなかった.筋肉間脂肪は品種間で差があり,日本短角種と交雑種はほぼ同じで,黒毛和種よりも多い傾向がみられた.胸最長筋における筋肉内脂肪は,枝肉格付けが「中」の黒毛和種は他の肉牛よりも多く,また格付けが「並」の黒毛和種は同じ格付けの日本短角種と交雑種よりもやや多い傾向がみられた.これらのことから,濃厚飼料多給で飼育した日本短角種と交雑種は成長は優れているが,肉質からみると筋肉間脂肪が多く,脂肪交雑が少なく,黒毛和種よりも劣っていることが分かった.また,筋肉内の脂肪沈着(脂肪交雑)の量を測定するためには,本研究で用いた画像解析装置は有効であった.
  • 川島 知之, 松井 徹, 矢野 秀雄
    1988 年 59 巻 2 号 p. 161-166
    発行日: 1988/02/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    高温環境がラットにおける脱灰骨基質誘導性軟骨内骨化に与える影響について検討した.7週齢のウィスター系雄ラットを2区に分け,環境温度が24°C(C区)と34°C(H区)の環境制御室内で同量の飼料により飼育した.ラットの大腿骨と脛骨の骨幹部より作成した脱灰骨基質を腹部の筋肉中に移植し,移植後,7,14,21日目に移植物を採取し,組織学的に観察するとともに酵素活性とカルシウム含量を測定した.
    H区のアルカリ性フォスファターゼ活性は14日と21日目にC区より低い傾向を示し,酸性フォスファターゼ活性は実験期間を通じてC区よりH区が低い傾向を示した.これらの酵素活性の変化から,高温環境により骨の石灰化と骨吸収が抑制されたことが示唆された.組織学的観察から,高温環境により軟骨細胞の誘導は影響を受けないが骨髄の形成が抑制されることが認められた,移植物中のアルカリ性ならびに酸性フォスファターゼ活性は高温環境により減少する傾向があり,骨髄形成の抑制は骨のリモデリングが高温環境により抑制されることと関連すると考えられた.
  • 向井 孝夫, 戸羽 隆宏, 伊藤 敞敏, 足立 達
    1988 年 59 巻 2 号 p. 167-176
    発行日: 1988/02/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    ケフィール粒由来,ケフィランの構造は,既に,KOOIMANにより提示されている.しかし,メチル化分析の結果,彼の示した構造には,みられない6-O置換ガラクトースの存在が明らかとなったため,ケフィランの構造を再検討した.ケフィランをTrichodermareesei由来セルラーゼで,加水分解すると,グルコースと五糖のみが遊離した.その五糖の構造は,メチル化分析および13C-n. m. r.分析によって,β-D-Glc-(1→2)-β-D-Gal-(1→4)-α-D-Gal-(1→3)-D-Gal(1→4)-D-Glcと解明され,これは,KOOIMAN3)の提示したケフィロースの構造と一致した.しかしながら,ケフィランのメチル化分析と,13C-n. m. r.分析は,6-0置換ガラクトースの存在を示唆しており,ケフィランは,KOOIMAN3)の提示した構造のほかに,6-0置換ガラクトースを含む繰り返し単位を有すると推定された.
  • 土屋 剛, 星野 忠彦
    1988 年 59 巻 2 号 p. 177-179
    発行日: 1988/02/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
  • 辻 荘一, 千原 昇
    1988 年 59 巻 2 号 p. 180-182
    発行日: 1988/02/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
  • 入来 常徳, 酒入 泰弘, 花崎 待子, 阿部 又信
    1988 年 59 巻 2 号 p. 183-185
    発行日: 1988/02/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
  • 高橋 幸資, 白井 邦郎, 和田 敬三
    1988 年 59 巻 2 号 p. 186-188
    発行日: 1988/02/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
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